2022年に営農義務が解除されました!

農地に家は建てられない?農地はどうやって売る?農地の転用とは?

農地売却

基本的に、農地に家を建てることはできません。

農地法に基づいて、農地は農業に利用されることを前提として保護されており、土地の転用については、手続きが必要になってきます。

ただし、農地の一部であったとしても、市街化区域や工業地域などの都市計画区域内にある場合は、市町村の条例によって、建築基準法などの規制を満たしていれば、家屋や建物を建設することが可能な場合もあります。

無秩序な市街化を防止して、市街地整備をすすめるために、都市計画法によって都市計画区域は、市街地として、積極的に整備する区域である市街化区域と市街化を抑制する区域である市街化調整区域とに分けられています。

市街化調整区域は、農業などの投資を行う区域となっており、農家などの特定の場合を除いて、原則として宅地造成や建築なども禁止されています。

市街化区域内には、土地利用の観点から、12種類の用途地域が定められていて、それぞれの地域に応じて、建築物の用途、容積、高さなどが規定されています。

12種類の用途地域は次のとおりとなります。

(1)第一種低層住居専用地域 (2)第二種低層住居専用地域 (3)第一種中高層住居専用地域(4)第二種中高層住居専用地域 (5)第一種住居地域 (6)第二種住居地域 (7)準住居地域 (8)近隣商業地域 (9)商業地域 (10)準工業地域 (11)工業地域 (12)工業専用地域

農業用倉庫や農業作業場等の農業施設を建設する場合については、農地法によって、容積率や用途等の制限がありますが、基本的には建設が認められます。

国は農地法において、農業者の権利を守るとともに、農業生産を促進して、国民に安定した食料供給を行うために、農地などの売買による権利移動や転用の制限を実施しています。その法律が農地法となっています。

農地は国にとって、大切な資源であるために、国民の私有所有地であっても、農地を無許可で耕作以外の用途に転用することはできないように規制されています。

農地法とは、農地の売買や農地を農地以外に使用する農地転用について規制する法律になっています。

農地法で定義している農地とは、耕作の目的に供される土地ということになっています。現在、耕作されている土地はもちろんですが、休耕地や不耕作地などについても、客観的に見て、農地であるならば、農地法上における農地ということになります。

農地を売却したり転用したりするためには、農地法による許可申請が必要となってきます。

ただし、農地の転用や売却は、各地方自治体の条例などによって若干異なるために、土地利用については、市町村役場等の関係機関に確認することが必要になってきます。

農地を売却する場合、まずは売却したい農地の現状や用途、周辺環境等を調査して、市場価値を把握することも大切になります。その上で、以下のような方法が考えられます。

市中の不動産会社に売却の相談をします。不動産会社に相談して、専門的なアドバイスや査定を受けることで、適正な価格で売却することができます。

不動産会社によっては、地元の農業者や企業などにその土地などを紹介することもできるため、積極的に利用することがおすすめです。

インターネットの不動産サイトやSNSを活用します。不動産売買に特化したインターネットサイトやSNSを活用して、売却を希望する農地を広く公開することも可能です。詐欺やトラブルなどに注意する必要もあります。

地方自治体の出資事業等を利用する方法もあります。地方自治体が出資している農業関連企業や団体などが、農地を買い取る出資事業等を実施している場合があります。

地元の農業者に売却したい場合でも、地方の市町村によっては、農地流通促進協議会等が設立されていることがあるので、そうした機関に相談することも可能です。

農地の売却には、農地法や都道府県の条例などに基づく手続きが必要となる場合があります。売却にあたっては、行政書士などの専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。

例えば、地方自治体によっては、農用地保全条例を制定している自治体もあります。条例をつくって、農地を守る計画を集落単位で策定できることを定めて、農地を守る計画の策定により、優良農地の保全と秩序的な土地利用を推進して、魅力ある農村づくりと自治体の振興につなげるものです。

なお、農地を転用する場合などでは、都道府県からの許可が必要な場合があります。市街化区域は市街化を推進する地域なので、届出をすれば許可は必要ありませんが、市街化調整区域は市街化を抑制する地域になるためです。

農地が市街化調整区域内の場合であれば、都道府県知事からの許可が必要となります。許可申請は農業委員会を経由して、都道府県へ提出されます。

農地の転用とは

農地転用とは、文字通り、農地を農地以外のものにすることです。農家が田んぼや畑をやめてしまって、整地して、自宅を建てる場合などです。

農地とは、耕作の用に供されている土地と定義されています。登記に記録してある地目には関係なくて、見た目の現況が田畑であれば、農地として扱われます。

現在の日本においては、日本の農業生産力を維持するために農地法という法律があって、個人の意思だけで、農地を転用することはできません。

個人が所有する農地を個人で転用する場合や、転用の目的で農地を購入する場合などでは該当する法律が異なるために手続きも違ってくるので、注意が必要になります。

農地転用には農地法4条と5条に沿って、手続きする必要があります。これに違反した場合には、3年以下の懲役または、300万以下の罰金に処せられることがありますので必ず手続きを行うようにします。

手続きには、主なものとして2つあります。

  • 農業委員会へ届け出を出す場合

農地が市街化区域内にある場合には、各市町村などが指定する提出書類を農業委員会に提出します。毎月提出締切日があるため、各農業委員会が設定する締切日を把握しておきます。

締切日を過ぎてしまうと、書類審査の開始がかなり遅れてしまうので、転用を急ぐ場合は注意が必要になります。締切日から1週間から10日程度で返事が来ることが多いようです。

(2)都道府県からの許可が必要な場合

権利者が農地を転用する場合です。農家や所有者が自分の農地を農地転用する場合は農地法4条に該当します。

費用としては、届出や許可申請には費用はかかりませんが、提出に必要な書類をそろえるのに手数料がかかってきます。専門書類が多いので、行政書士などに依頼するほうがよいかもしれません。依頼先にもよりますが、届出の場合は3万円から5万円程度の費用がかかって、許可の場合は6万円から8万円程度一般的にかかります。

農地に家を建てるためには「転用」することが必要

一般的には、農地に家を建てるためには、農地転用が必要になります。

ただし、都道府県の地方自治体によって違っているので、事前に確認することが必要になってきます。

農地転用には、いろいろな手続きが必要となるので、行政書士などの専門家の支援を受けることをおすすめします。

・農地と宅地の違い

農地に家を建てるのであれば、農地と宅地の違いを理解しておく必要があります。

農地は、農作を目的としていて、宅地は住宅を建てることを目的としています。

基本的には、農地に家を建てることはできないので、土地の目的である地目を宅地に変更する必要があります。このことを農地転用と言います。

例外として地目が農地のままでも家を建てることができる場合もあります。

農地でも家を建てることができる地域もあれば、地目を農地転用した後に家を建てることができる地域もあるということになります。

当該の地域がその地域がどのような区域に該当するのかを定めた法律である都市計画法によって、どのような区分に分けられているのかによって変わってきます。

農地に家を建てるのであれば、都市計画法のことを理解しておく必要があります。