荒廃農地は、農業が放棄されて管理が行き届かなくなった土地のことです。
耕作放棄地、農業活動が行われていたが、一定の期間、耕作が放棄されている土地を指します。
遊休農地は、現在は農業活動が行われていないが、将来的には農業の利用が可能な土地を指します。
遊休農地は、所有者の意向や農業や売買の需要の変化、法的な制約などによって、一時的または、永続的に農業活動が行われていない状態です。
荒廃農地、遊休農地と耕作放棄地
農地は、農業利用することで、農産物の供給のほかに洪水の防止などの役割を担っています。
農地が荒廃して遊休農地化してしまうと、雑草や雑木の繁殖や病害虫が発生するなど、近隣の農家に迷惑になり、農地の集積をすすめるのに妨げとなります。
優良な農地を保全して、地域の農業を振興するには、農地の荒廃や遊休農地化を防止して、農地の集積をすすめていくことが重要です。
1.荒廃農地
荒廃農地とは、統計調査などでは、現在、耕作に供されていなくて、耕作の放棄により荒廃して、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている農地と定義されます。
2.遊休農地
遊休農地とは、農地法で定義されている用語ですが、次のいずれかに該当する農地とされています。
現に、耕作の目的に供されておらず、なおかつ、継続して耕作の目的に供されないと見込まれる農地のことです。
その農地の農業上の利用の程度が、その農地の周辺の地域における農地の利用の程度に比べて、著しく劣っていると、認められる農地です。
3.耕作放棄地
統計上では、以前耕作していた土地で、過去1年間以上、作物を作付け栽培されずに、この数年の間に再び、作付け栽培する考えのない土地と定義されています。
全国的に、約30年間、耕作放棄地が増加をしています。
昭和60年までは、およそ13万ヘクタールで、ほぼ横ばいで推移していましたが、平成2年以降は、増加に転じて平成22年は、39.6万ヘクタールになっています。
耕作放棄地率は昭和60年から平成27年にかけて3.9倍の増加なっています。
耕作放棄地の原因は、高齢化や労働力不足が最も多くなっています。その地域内に引き受け手がいなく、地域内の耕作者が減少していることが要因となっています。
農産物の価格低迷や収益のあがる作物がないといった農業経営状態の悪化も要因となっています。
中間、山間農業地域において鳥獣被害が大きいための割合も大きくなっています。
農地付き空き家
地方都市、農山村地域や中山間地域では、人口が減少し少子高齢化の進展にともない、空き家や遊休農地が発生し、地域の活動や農業などの産業の担い手不足によって地方の衰退などが問題となっています。
定住する人口を増加させる移住の促進の取組として、移住先で農業に従事することに関心を持っている移住希望者をターゲットにして空き家バンクなどで、空き家と農地などを併せて農地付き空き家として提供することなどが、有効な対策として、政府などが取り組んでいます。
詳しくは、行政書士や不動産の専門家に相談をお願いします。