農地付き物件であれば、家庭菜園を始める場合、住宅と農地を別々に調達する手間がかかりません。農地付き空き家であれば、一石二鳥で、両方を準備できます。別々に準備するよりは、費用も安く済みます。
家庭菜園のための土地を入手する場合、もとは田や畑ではない土地であれば、耕して、土壌を改良するなど、手間がかかりますが、農地付き物件であれば、その手間が省けます。
畑付き物件によっては、農地とそこで使える農機具や機械などが付いてくることもあります。
全国的に農家の空き家が増えているなかで、空き家の活用の推進や農山村地域への移住を促進する取り組みの一環として、農地付き空き家の提供が始まっています。
地域再生計画を定めている市町村などでは、農地付き空き家を取得しやすくなっています。農地や住宅を取得するのが比較的簡単になり、農地と空き家を手に入れやすくなっています。
1.農地付き賃貸物件
(1) 農地付きアパート
農地付きアパートは、アパートの各住戸に専用の畑がついてくる賃貸アパートです。屋上の菜園という物件もあります。
農地付きアパートは、郊外だけではなく、都心や都心近くの物件もあります。比較的新しいトレンドということもあって、築年数が浅い物件も多くあります。
平日は、都会で勤務して、休日は家庭菜園を楽しみたいという人に適しています。
(2) 農地付き一戸建て住宅
農地付きの一戸建て住宅は、賃貸の一戸建て住宅に田畑などの農地が付いている物件です。
田畑のほかに、庭や駐車場などがあって、土地自体が広い傾向にあります。
農地付きの一戸建て賃貸住宅は、地方にあることが多く、築年数が古い物件になる傾向があります。
農地付きのアパートがある地域は、どちらかと言えば、都心や都心近くが多くなり、築年数の浅い物件が多くなっています。
農地付き一戸建て住宅の場合は、立地や物件の広さ、設備の状態によって家賃に大きな差が出ています。
アパートの場合は、畑の広さはあまり大きくない場合が多いですが、戸建ての場合は、地方にあって、築年数が古い物件が多くなりますが、付属する田畑や農地は、アパートに比べて広くなる傾向にあります。
戸建ての場合であれば、築年数は古くなる傾向がありますが、農地の面積が広くて、本格的な野菜をつくることもできます。
玄関前のオープンスペースや物置がある場合が多くて、作業用具や器具を収納するのにも便利です。
また、近所に農業の専門家が多くいる場合があるので、近所で仲良くなれば、アドバイスをもらうことも可能です。
2.農地付き賃貸物件の探し方
農地付き賃貸物件への入居を希望している場合は、不動産業者を訪れても、物件数が少ないということもあり、なかなか希望の物件がみつからないことがあります。
国土交通省の空き家・空き地バンクでは、全国の空き家の情報を確認できます。
農地付きの賃貸物件が見つかることもあります。
国土交通省の「全国版空き家・空き地バンク」は、全国の自治体の空き家などの情報の標準化と集約化を図り、全国どこからでも簡単にアクセスや検索できるようにするために、公募により「全国版空き家・空き地バンク」を構築、運営する事業者を募集して、選定された(株)LIFULLおよびアットホーム(株)が試行運用を経て、平成30年に本格運営を開始しています。
全国版空き家、空き地バンクへの利用者登録は不要になっていますが、掲載されている物件の自治体への登録が必要となる場合があります。
自治体または、各物件画面に表示される問い合わせ先に確認します。自治体が運営する空き家バンクサイトにも物件の案内が掲載されている場合もあります。
自治体によっては、空き家バンク事業を移住の促進としての目的と位置付けて、県外市町村外からの利用希望者に限っている場合などがあります。利用条件は自治体によって違ってきますので、自治体に確認したほうがよいでしょう。
3.農地付き賃貸物件
農地付きの賃貸に入居する場合は、雑草や外注が発生しやすいので注意が必要です。
田畑付きの賃貸には一般の庭よりも広い田畑が付いていることが多くなり、その広さのために雑草が多く生えてしまいます。
雑草が多い場所を手入れしていないと、害虫が発生しやすくなります。
小さな家庭菜園であれば、雑草は、すぐに処分できますが、田畑となるとそうはいきません。田畑の作業を休んでいる期間は雑草の量が多くなってしまいます。
田畑の多くの部分は土なので、乾燥すると土埃が舞いやすくなります。土が洗濯物に付着したり、家の窓から土埃が入ってきたりする場合があります。
農地バンク
大きな農地が多いですが、小規模なものもあります。
農地バンクというのがあります。農地バンクは、農地を貸したい人と農地を借りて農業をしたい人を結びつける公的な制度です。農地中間管理機構といいます。
所有者は貸したい農地を、使いたい人は借受希望者として、農地バンクに登録をします。
農地中間管理機構が、この登録情報を見て、両者を仲介します。
農地バンク制度とは、政府が2014年度から実施している農地の貸し借りを仲介する制度です。
特に、農業の後継者がいない小規模農家から、農地中間管理機構が、農地を借り上げます。それをまとめて、貸し出すというシステムです。
農地を使いたい人は、保有者に直接交渉する負担がなくなって、農業を始めやすくなります。売買はやっていません。
農地転用許可と農地売買の実務で見落としやすいポイント
農地転用許可や農地売買の手続きでは、「許可が下りる前提で契約を進めてしまう」ケースが少なくありません。特に農地法第5条の許可が必要な農地売買では、許可取得が停止条件となっていない契約は大きなリスクを伴います。農地購入の段階で「必ず転用できる」と思い込むのは危険であり、事前に農業委員会への確認が不可欠です。
また、市街化区域か市街化調整区域かによっても取扱いは大きく異なります。市街化区域では届出で済む場合もありますが、調整区域では厳格な許可基準が適用され、農地売却・農地売買の難易度が一気に上がります。この違いを理解せずに手続きを進めると、計画自体が頓挫することもあります。
さらに、農地転用許可は「申請すれば通る」ものではなく、立地条件や周辺農地への影響、代替性の有無など複数の要素で判断されます。実務では、事前相談の段階で方向性を見極めることが重要であり、行政書士など専門家の関与が成功率を大きく左右します。
- Q農地購入すれば自由に建物を建てられますか?
- A
いいえ、農地購入後でも自由に建物を建てることはできません。農地転用許可(または届出)が必要であり、許可が下りなければ利用目的の変更はできません。
- Q農地売却は誰にでもできますか?
- A
農地売却は原則として農地法の規制を受けるため、買主の資格(農業従事者など)や目的によって制限があります。農地売買として成立させるには、農業委員会の許可が必要です。
- Q市街化区域なら農地売買は簡単ですか?
- A
市街化区域では農地転用は届出で済む場合が多いですが、すべてが自由というわけではありません。用途地域や建築規制も関係するため、事前確認が重要です。
- Q農地転用許可はどれくらいの期間がかかりますか?
- A
一般的には1〜2か月程度ですが、内容や地域によってはそれ以上かかることもあります。農地購入や農地売却のスケジュールに余裕を持たせることが大切です。
- Q農地売買でよくある失敗は何ですか?
- A
「許可が下りる前提で契約してしまう」「調整区域の規制を理解していない」「事前相談を行っていない」といった点が典型的な失敗です。農地購入・農地売却のいずれでも、事前調査が最も重要です。


