農地を転用するために、所有権の移転等を行う場合となり、農地の所有者が自己の目的のために転用する場合は、4条の農地転用届出書となります。
権利移動を伴う市街化区域内の生産緑地を除く農地の転用をする方が対象になります。
農地を農地以外のものに転用する場合、所有権移転など、権利の移転や設定を伴う場合、住宅用地、事業用地などとして土地を売買や貸借する場合など、当該の農地の権利の譲受人と譲渡人は、農地法の規定に基づいて、届出を提出することになります。
農地転用届出
届出の日からおおよそ、2週間程度で受理通知書が発行されます。
提出の窓口は、多くの自治体において農業委員会の事務局になります。
申請できる人は、当該の農地の権利の譲受人と譲渡人の連名により届出することになります。
譲渡人以外の方が手続される場合には、必ず委任状を添付します。
譲受人と譲渡人がそれぞれ2人以上である場合には、全員の氏名を自署します。
申請に必要なもので、必ず必要なものは、農地転用届出書、土地の登記事項証明書(全部事項証明書)原本、案内図(住宅地図のコピーなど)、公図の写し(法務局や市役所課税課発行のもの)になります。
譲渡人以外の者が手続をする場合は、委任状、委任者本人が自署します。自署できない場合は記名押印をします。筆の一部を転用する場合は実測図も必要になります。
届出人が法人の場合であれば、履歴事項全部証明書原本、発行から3か月以内で最新のものが必要です。
引越しなどによって、登記事項証明書に記載された所有者の住所と現住所が異なる場合、住民票なども準備します。
市街化区域内の農地について、所有権の移転や権利の設定等を伴う転用を行う際に必要な届出となっています。
1.手続きの流れ
1.届出書と必要書類を農業委員会へ提出します。
2.農業委員会で届出内容を確認します。
3.届出内容に不備がなければ、農業委員会が受理通知書を発行します。
4.届出者が受理通知書を受領します。
2.届出に必要な書類のまとめ
1.農地法第5条第1項第6号の規定による届出書
2.転用する農地の全部事項証明書(原本が必要)
3.転用する農地の公図(写しでも可)
4.転用する農地の案内図(住宅地図などでも多くの場合大丈夫です)
5.委任状(全部事項証明書に記載されている所有者以外の方が届出する場合に必要です)
6.法人資格証明書(譲受人が法人の場合に必要です)
7.その他必要と認められるもの
その他必要と認められる書類の例
・承諾書:全部事項証明書に記載されている所有者が複数の場合、届出手続および受理通知書の受領を届出人以外の所有者が承諾する旨の記載及び全員の署名・捺印が必要になります。
・事業計画承認の写し:自治体の条例の規定がある場合、転用届出時に承認書が無い場合は、提出確約書および開発事業事前協議書の控えに受付印を押した写しが必要になる場合もあります。
・戸籍の附票や住民票の写しなど:全部事項証明書に記載されている所有者の住所と現在の住所が異なる場合、住所のつながりが確認できる文書が必要になります。
・遺産分割協議書の写し:相続により所有者となるが、その旨が、未登記の場合、転用届出と受理通知書の受領を届出人以外の相続人が承諾する旨の記載、および相続人全員の署名、捺印が必要になる場合もあります。
農地法第4条の実務で見落としがちなポイントと農地転用の注意点
農地法第4条による農地転用は、単に許可申請を行えばよいというものではなく、実務上は「事前調査」と「関係機関との調整」が極めて重要です。特に、農地購入や農地売買を伴うケースでは、農地法だけでなく都市計画法や農振法などの規制が複雑に絡むため、事前に利用目的が実現可能かを確認しておく必要があります。許可が下りないまま農地を取得してしまうと、活用できないリスクがある点は注意が必要です。
また、農業委員会との事前相談を軽視するケースもよく見受けられます。農地転用の可否は、地域ごとの農地保全方針や周辺農地への影響によって判断が分かれるため、同じ内容でも自治体によって結論が異なることがあります。このため、形式的な書類作成だけでなく、農業委員会との協議を通じて「許可の見込み」を確認することが重要です。
さらに、農地売却や農地売買に関連して、転用前提で契約を進める場合には「停止条件付き契約」などの工夫も実務上は有効です。これは、農地転用許可が得られた場合にのみ売買を成立させる方法であり、許可不許可によるトラブルを防ぐことができます。こうした契約実務は専門的判断が必要となるため、行政書士など専門家への相談が望ましいでしょう。
農地は農地法により厳しく規制されているため、農地購入・農地売却・農地転用を検討する際には、単なる不動産取引とは異なる視点が必要です。初めての方ほど、早い段階で専門家に相談することで、リスクを最小限に抑えることができます。
- Q農地法第4条の農地転用は、農地購入前でも申請できますか?
- A
原則として農地法第4条は「自己所有の農地」に適用されるため、農地購入前の段階では申請できません。農地購入や農地売買を伴う場合は、通常「農地法第5条」の対象となります。ただし、実務では農業委員会に事前相談を行い、転用の見込みを確認してから契約を進めることが重要です。許可の見込みが不明なまま契約すると、農地転用ができないリスクがあります。
- Q農地法第4条の農地転用は、どのような場合に不許可になりますか?
- A
農地転用は、周辺の農地利用への影響や農業振興地域の指定状況などを考慮して判断されます。特に、優良農地や農用地区域内の農地は原則として転用が認められません。また、排水や日照への影響、農業委員会の方針によっても判断が分かれるため、地域ごとの運用に注意が必要です。
- Q農地法第4条の農地転用と農地売却・農地売買の関係はどうなっていますか?
- A
農地法第4条は「所有者自身が転用する場合」に適用されるのに対し、農地売買を伴う場合は農地法第5条が適用されます。したがって、農地売却や農地購入を前提とする転用計画では、どの条文が適用されるかを正確に判断する必要があります。誤った手続きで進めると許可が下りないため注意が必要です。
- Q農地法第4条の農地転用は、農業委員会に相談せずに進めても大丈夫ですか?
- A
実務上は、農業委員会への事前相談はほぼ必須と考えてください。農地転用の可否は地域ごとに判断が異なり、書類上は問題なくても実際には許可が難しいケースもあります。事前相談により、必要書類や許可の見込み、補正点を把握できるため、スムーズな申請につながります。
- Q農地法第4条の農地転用で、よくある失敗や注意点は何ですか?
- A
くある失敗としては、「許可前に工事を開始してしまう」「農地転用の見込みを確認せずに農地購入してしまう」「農地法以外の規制を見落とす」などがあります。農地は規制が厳しく、無許可転用には罰則が科される可能性もあります。農地売買や農地転用を進める際は、農地法だけでなく関連法令も含めて総合的に確認することが重要です。


