2022年に営農義務が解除されました!

農家をはじめるには農地が必要!おさえておきたい農家の要件

農地コラム

農業を始めるには、まず、農地を確保しなければなりません。農地には、水田、畑、果樹園、牧草地など、用途によって種類があります。たとえ、市民菜園であっても農作物をつくる農用地であれば、条件があります。

農作物の生育に適した地勢、土壌の条件があります。水はけが良く、日当たりが良くて、肥沃な土壌をできるだけ探さなくてはなりません。

農業には水が必要になります。水源が近くにあるか、灌漑が可能であるかを確認します。

農業は正しい知識の習得が必要不可欠

1.田畑などの広さを表す単位

農業をするには、自分の田畑の大きさを知っておかなければなりませんし、土地を探す際にも、土地の大きさの単位がイメージ出来るようにしておかないと探すにも支障がでてきます。

田畑の面積を表す単位を知っておきます。宅地を探す場合など、平方メートルのほかに「坪」をよく使いますが、農地の広さの場合は、田んぼの広さを表すときに「反(たん)」や「町(ちょう)」が慣習で使われます。

(1)1歩(ひとふ)→1坪、3.3平方メートル、2畳

(2)1畝(歩)(一畝)(ひとせ、ひとせぶ)

→ 1アール、30 坪、100平方メートル

1畝、つまり30坪であれば、6畳の和室が10部屋あるような感じです。

(3)1反(歩)(いったん、いったんぶ)

→10アール、300 坪、1,000平方メートル

50m × 20m の50mプールくらいの広さです。

(4)1町(歩)(いっちょう・いっちょうぶ)

→1ヘクタール、3,000 坪、10,000平方メートル

野球場の100m × 100mのグラウンド程度の広さです。

  1. 農業の基礎知識

(1) 土壌と作物の知識

適切な土壌の選択や肥料の施用、水やりや除草の仕方、作物の種類とその特性などについての知識です。

(2) 農業技術の知識

作物の栽培方法や害虫や病気の予防と治療、その他、収穫や保存方法などの知識。

(3) 農業経済の知識

生産のコストや市場の価格の把握や収益性分析や経営方法、販売戦略などの知識。

(4) 法律や規制の知識など。

農業関係の法律や環境規制、労働法などの知識

ずっと農地を宅地などにする農地転用などせずに農業だけするのであれば、農業技術上の条件などを考慮しておけばよいですが、いずれ家を建てたいなどの可能性があれば、農用地の法的な制約も知っておかなければなりません。

たとえば、農業振興地域(農振地区)、今後10年以上にわたり、農業振興を図るべき地域や生産緑地であれば、家を建てるのはむずかしくなりますし、第1種農地は原則不許可、第2種農地は許可がむずかしい地域ですが、第3種農地であれば原則許可されるなど、一般の土地である宅地と農地では、農地売買を含めて法的制約があります。

また、法律上は、宅地であっても現況農地である場合は取り扱いが違ってきますし、農地転用の規制でも本人転用でも法的規制があります。

農業に使う土地は小さすぎてはいけない

1.JA農業協同組合の調査結果

2022年のJA農業協同組合の調べによれば、農業1戸当たりの経営耕地面積は、全国平均:1.43ヘクタール 北海道:20.5ヘクタール、都府県1.03ヘクタールでした。

(1) 販売農家

販売農家だけになると全国:2.20ヘクタール、北海道:23.81ヘクタール

都府県:1.57ヘクタールとなります。

(2) 農業経営耕地面積

全国の値ですが、次のとおりです。

3ha未満:33%、3~10ha:19%、10~20ha:10%、20~30ha:7%、

30~50ha:10%、50ha以上:20%

10ha以上の耕地面積、全国の耕地面積の半分を占めていることになります。

(3) 欧米などの平均経営面積

日本:2.99ヘクタール、アメリカ:178ヘクタール、ドイツ:58.6ヘクタール

フランス:58.7ヘクタール、イギリス:92.3ヘクタール

オーストラリア:4477ヘクタールと桁違いの歴然とした差があります。

2.農業の最低耕作面積

最低耕作面積、下限面積とは、経営面積が極端に小さいと生産性が低くなり、農業経営が効率的で持続的に継続できないことが考えられて、農地の譲受人が耕作する面積が、農地取得後に最低50アール、つまり5,000平方メートル以上でなければ、許可されないことになっています。北海道を除いて、全国一律の数値です。

農業に必要な土地の大きさは、栽培する作物や飼育する家畜の種類や数、農業の方法などによって違います。農業には最低でも1ヘクタール(10,000平方メートル)の土地が必要と言われています。

野菜や果物など、園芸作物を栽培する場合であれば、1ヘクタールの土地で、数百から数千キログラムの作物が収穫できます。

穀物や豆類などの畑作物を栽培する場合は、もっと広い面積が必要になります。

家畜を飼育する場合は、種類や数によって必要な土地の面積が異なります。牛や羊などの草食動物を飼育する場合は、十分な広さの牧草地が必要です。

最近は、農業技術の発達で、小規模な農場でも高い収穫が栽培できるようになってきていますが、農地の広さはあり程度必要です。

農地の売買・賃借の目安にできる「農地台帳」

1.農地台帳について

農地基本台帳とは、市町村の農業委員会が記録することになっている農地の台帳です。世帯状況、就業状況や営農状況などを記録しています。

2.農地台帳の目的

農地台帳には、農地の所在や所有者、耕作者に関係する内容のほか、農家世帯の状況など、農地と農家に関係する記録となって、農地法などに基づいて農地の売買、賃貸借などを実施する基礎になるだけでなくて、本市の農業、農村施策を計画、実行する資料となります。

3.農家台帳関係の法令

農地基本台帳は、農業委員会交付金事業実施要領に基づいて、「農業委員会が法令事務を処理するに当たり必要な資料」としてすべての農業委員会で整備することになっています。

4.農地台帳の閲覧

農地法第52条の2の規定により、作成した農地台帳の記載事項について、同法の第52条の3第1項に基づき、農地台帳の閲覧と記録事項要約書の交付請求が誰でもできます。

5.農地台帳の項目

農地の所在、地番、地目(現況)及び面積

農振法、都市計画法及び生産緑地法の地域区分

所有者の農地に関する意向

耕作者ごとの整理番号

賃借権等の種類や存続期間

農地中間管理機構の関与状況

遊休農地の措置の実施状況

6.農地基本台帳の閲覧方法

農地基本台帳は、農業経営者の本人および農業経営者の世帯員に限って、農業委員会事務局で「農地基本台帳交付閲覧申請書」で申請すると、交付や閲覧ができます。代理が 農地基本台帳の交付や閲覧を受ける場合は、委任状を添えて申請するところが多いです。

農業委員会では、農地の権利を保護するために法律に基づいて農地台帳を整備しています。

農業の経営主が変更となる場合、親族が新たに農業経営に入る場合、新たに農地として利用する土地がある場合などは、農地台帳を修正する必要がありますので、農業委員会への届出や申請が必要になります。

7.農地台帳の公表

農地法第52条の3の規定によって、市街化区域を除く区域の農地台帳や農地地図を公表することが義務づけられました。

8.インターネットでの公表

全国農業会議所が運営する「全国農地ナビ」(https://www.alis-ac.jp/) で、農地地図のほか、農地台帳を閲覧できます。

農地から自宅までの距離は毎日通える距離を参考に

農地の取得(農地法第3条)申請などでは、農地から自宅までの距離である通作距離が制限されます。

1.通作距離の要件

自分が取得や借りようとする農地と自宅との距離が許可要件のひとつになります。自宅からその農地まで通って、効率的な農業経営ができるかどうかということで、投機的土地取得を防止する措置です。

2.通作距離以外

農地を農地として売買したり、貸し借りするとき、農業委員会の許可が必要です。たとえば、許可を受ける農地を含めて3反、30アール以上となっていたら、通作距離は15キロメートル以内という条件になるので注意が必要です。

農業の耕作知識は実践的に学べる場所を選ぶ

農業を行うために、学歴や資格は必要ありません。農地があって、農作物を育てる技術と知識があれば、すぐに始めることができます。家が農業であれば、手伝いをして実践で学んでいくこともできます。

しかし、より良い土をつくったり、高い収穫を得るためには、地質、肥料などの化学知識などが必要です。

全国にある農業の研修教育機関は次のとおりです。

1.道府県の農業大学校

道府県の農業大学校は、農業経営者を養成する中核的な機関として、全国の41道府県に設置されています。

(1)養成課程

・高校卒業程度の学力を有する人

・2年間で 2,400時間(80単位)以上

・専門課程は、稲、畑作物 、野菜、果樹、花き、 酪農、肉牛、養豚、養鶏などで講義、演習、実験と実習がほぼ半分ずつ

(2)研究課程

・農業大学校養成課程卒業生や短大卒業者

・2年間 2,400時間(80単位)以上、1年間の学校もあり。

・専門課程は、稲、畑作物 、野菜、果樹、花き、 酪農、肉牛、養豚、養鶏など

養成部門で学んだ内容をさらに深めて、高度な農業技術や経営能力等を養成をします。講義、演習、実験と実習がほぼ半分ずつです

(3)研修課程

・技術・知識の向上を目指す農業者の方や就農を希望する人

・1年以内、ただし、コースにより異なる。

・分野ごとにコースが設置

農業技術、農業機械操作、経営管理、農業体験など

受講者の経営の発展段階、受講者のニーズなどで学習を実施

最近では、週末や夜間などでもできる研修やオンラインなどの通信教育コースなどがあります。受講生の状況に応じて学び方を選択できるプログラムも充実しており、社会人が働きながら学ぶこともできるようになってきています。

なお、以前は入学には、年齢制限がありましたが、今はありません。

2.市町村やJA

市町村やJAが開催している農業研修に参加するという方法もあります。

研修の内容や期間は、地域によって違いますが、農業の基本的な知識や技術を学ぶ基礎研修と、実際に地域の農家で指導を受けながら、その地域の主力の農作物の栽培技術と農業経営の実務を習得する実践研修の2つに分かれています。

3.働きながら農業を学ぶ

社会人が仕事をしながら農業を学ぶには、週末など休日を利用することを検討すればよいでしょう。

(1)農業体験

農業体験は、自治体でいろいろな形で行われています。週末1日の農業体験ツアー、

1年を通して週末に何度か行って農作業を体験、農家民泊として週末に泊まり農業を体験する、週末を利用できるインターンシップなどです。

稲作、畑作、畜産など、幅広い農業の接することができます。

インターンシップは、全国各地の農業法人が実施しています。農業の種類も農作物、畜産などいろいろあります。

インターンシップでは、農作業以外にも直営レストランや直売所の運営、試験場、選果場、近隣農家の見学、ビニールハウスの解体や組み立てなども学べます。

(2)週末だけの社会人向け農業スクール

社会人向けに、週末だけ開講している農業スクールもあります。中にはオンライン通信コースを選択できる学校もあります。農作業だけでなく農業経営についても学べることができます。