2022年に営農義務が解除されました!

法人が農業に新規参入するにはどうすればいいの?農地所有適格法人とは

農地コラム

法人が農業に新規参入するには、一般的に次の項目が必要になります。

・市場調査

参入する農業市場の需要や供給、競合状況などを調べて、ビジネスプランを作成します。

・土地の取得

農業には土地が必要です。自社所有の土地がある場合は、それを使うか、使わないのであれば、土地の取得を行います。

・資金調達

農業に必要な投資費用を調達します。自己資金や銀行融資、政府系融資などを検討します。

・農業生産の計画と実行

作物や畜産などの農業生産の計画を立てて、実行します。専門的な知識と技術が必要な場合もあります。

・市場開拓

生産した農産物を市場に流通させるために、販路開拓やマーケティングを行います。

法人が農地を取得する場合の要件とは?

基本的な要件は、個人の場合と同じで、以下の4つの条件を満たす必要があります。

・農地を効率的に利用すること

機械や労働力を適切に利用するための営農の計画を持っていること。

・必要な農作業に常時従事すること

農用地の取得者が、必要な農作業に原則、年間150日以上、常時従事すること。

・一定の面積を経営すること

農地取得後の農地面積の合計が、原則として、50アール、北海道は、2ヘクタール以上であること。

なお、面積は、市町村の実情に応じて、農業委員会が引き下げたりすることができます。(各市町村の面積については、市町村の農業委員会に確認する必要があります。

・周辺の農地利用に支障がないこと

たとえば、無農薬の栽培をしている地域で、農薬を使用しないことなど。

これらの要件をすべて、満たした場合に限って、農業委員会が許可することになります。

これらに加えて、農地所有適格法人の要件を満たすことが必要になってきます。貸借であれば、日本全国のどこででも農業が可能になります。

農地を所有したい場合であれば、農地所有適格法人になっておく必要があります。

農地を所有したい場合

農地所有適格法人になる必要があります。

農業法人が農地を所有するには、農地所有適格法人の要件を満たさなければなりません。

1.農地所有適格法人とは

農地所有適格法人とは、以前は、農業生産法人と呼ばれていました。平成28年4月1日の農地法改正によって、この呼称に変更されました。

農地所有適格法人は、農地法で規定された名称で、株式会社、農事組合法人などの法人の形態を意味しているわけではありません。農地の権利を取得するための要件を満たしている法人を意味しています。

2.農地所有適格法人の要件

事業要件としては、当該の法人の主たる事業が農業であることが必要です。

農業には、農畜産物を原材料としている製造や加工業などを含みます。

主たる事業が農業であるかどうかは、事業年度前の直近する3年間の農業関係の売上高が、当該3年間の当該の法人の事業全体の売上高の過半数を占めているかどうかで判断されます。

個人経営から法人化する場合は、新規事業者となりますので、農地の許可申請を行う時の申請書類に申請からの3年間の農業の売上見込み額を記入することで、判断の基準になります。

各市町村の農業委員会によっては、売上げの見込みに関連する資料の提出が要請される場合もあります。

3.構成員・議決権要件

株式会社の場合は、次に該当する株主の持つ議決権の合計が、総株主の議決権の過半数を占めていなければなりません。

持分会社である場合は、次に該当する社員の数が社員の総数の過半数を占めていなければなりません。

・その法人に農地などについて、所有権もしくは使用収益権、賃貸・使用貸借による権利を提供した個人

・法人の行う農業に常時従事する者

・地方公共団体

・法人に農作業の委託をしている個人

・農協など

構成員・議決権の要件は、平成28年の農地法改正で緩和されました。上記の方の議決権の合計が総株主または、総社員数の過半数を占めていれば、それ以外は誰でも問題ありません。

4.役員要件

・法人の常時従事者である構成員が、理事などの数の過半数を占めていること。

・法人の理事などまたは、使用人のうち、一人以上の者がその法人の行う農業に必要な農作業に年間60日以上従事すると認められる者であること。

農作業は、農地での耕作などの作業や酪農業であれば、搾乳作業や飼育作業等が該当して、事務作業や管理、営業などは除外されます。

5.要件の審査および報告の義務

農地の権利設定または、移転などの許可申請が上がった時は、農地などの所在地を管轄する農業委員会が、農地所有適格法人の要件に合致しているかを審査します。

許可を受けることができて、農地などの権利を持つこととなった法人は、その農地などの所在地を管轄する農業委員会に毎事業年度の終了後3ヵ月以内に、報告書を提出する必要があります。

農地所有の権利ができたとしても、要件について、不正な許可取得であったり、定期報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、罰金などの罰則が農地法で定められています。

要件を欠く可能性がある場合は、農業委員会による調査で要件確認が行われます。さらに確認が必要な場合には、農業委員会が法人の事務所などへ立入調査を行うことが定められています。

農地所有適格法人として認められると、次の利点があります。

6.農地所有適格法人の税務上の利点

(1)農業経営基盤強化準備金の活用ができます。

(2)肉用牛売却所得の課税特例措置が受けられます。

(3)農事組合法人で農業の法人事業税非課税の適用が受けられます。

個人の経営から法人化する場合でも、上記の要件を満たした法人の設立をして、個人の所有農地を法人へ権利設定する許可申請をすることになります。

詳しくは、所轄している最寄りの農業委員会へ確認をします。ほとんどの市町村には、農業委員会は設置されています。

農地転用許可と農地売買の実務で見落としがちなポイント(農地購入・農地売却にも対応)

農地転用許可を伴う農地売買では、「契約すればすぐに利用できる」と誤解されがちですが、実務上は許可取得が前提となるため、スケジュール管理が非常に重要です。特に農地購入の場面では、農地法の許可が下りる前に造成工事や建築準備を進めてしまうと、違法行為と判断されるリスクがあります。売主・買主ともに、許可取得前後の行為の線引きを正確に理解しておく必要があります。

また、農地売却においては、買主の属性によって手続きが大きく変わる点にも注意が必要です。農業従事者への農地売買であれば比較的スムーズに進む一方、非農家が農地購入する場合には、農地転用許可が必要となり、立地条件や周辺農地への影響などが厳しく審査されます。特に市街化調整区域では許可が下りないケースも多いため、事前調査が不可欠です。

さらに、農地転用が認められるかどうかは、地域ごとの農業振興計画や農地の区分(第1種農地・第2種農地など)によって判断が異なります。同じような農地売買であっても、自治体や農業委員会の運用によって結果が変わることもあるため、画一的な判断はできません。こうした点からも、農地購入・農地売却を検討する際には、事前に専門家へ相談することが重要です。

行政書士としての実務経験上、許可の見込みを確認せずに契約を進めてしまい、結果として取引が白紙になるケースも少なくありません。農地売買は通常の不動産取引とは異なり、法規制が強いため、契約前の段階から農地法・都市計画法の観点で慎重に検討することが、トラブル防止の鍵となります。

Q
農地購入すればすぐに住宅を建てられますか?
A

いいえ、農地購入後すぐに建築できるわけではありません。農地を宅地として利用するためには農地転用許可が必要であり、この許可を得て初めて建築が可能になります。許可前の工事は違法となるため注意が必要です。

Q
農地売却は誰にでも自由にできますか?
A

農地売却は原則として自由ではなく、農地法の許可が必要です。特に農業を行わない個人や法人への農地売買は、農地転用許可が前提となり、審査が厳しくなります。

Q
農地売買と農地転用は同時に申請できますか?
A

はい、実務上は農地売買と農地転用を同時に申請するケースが多くあります。ただし、許可が下りるまで契約の効力を停止する「停止条件付契約」とするのが一般的です。

Q
市街化区域と市街化調整区域で何が違いますか?
A

市街化区域では比較的農地転用が認められやすい一方、市街化調整区域では原則として開発が抑制されており、農地購入や農地売却の際にも許可が下りにくい傾向があります。

Q
農地売買は不動産会社だけで進められますか?
A

不動産会社だけでは対応が難しいケースも多くあります。農地法の許可申請や農業委員会との調整が必要となるため、行政書士などの専門家と連携して進めることが望ましいです。

お気軽にご相談ください

農地に関わる不動産ならお任せください

社名みらいJOY株式会社
代表者中馬 巌(ちゅうま いわお)
住所神奈川県横浜市港南区野庭町946番13翠美ビル1階
mailinfo@miraijoy.jp
tel045-900-9825

農地に関わる手続きならお任せください

行政書士日本行政書士会連合会 第20090733号
神奈川県行政書士会 会員番号5837号
代表者保田 多佳之(やすだ たかゆき)
tel090-9304-3225
Chatwork ID12o20vov54vut
LINEhttps://line.me/ti/p/qpZxc6ZP40
農地コラム