2022年に営農義務が解除されました!

農地のなかには転用許可がなくてもよい種類の土地もある!

農地転用

転用を予定している農地の中には、転用許可が必要のない土地もあります。

農地転用許可制度は、「農地法」(昭和27年法律第229号)に基づく制度で、日本の国土の計画的かつ合理的な土地利用の観点から、農業と農業以外の土地の利用計画との調整を図りながら、優良な農地を確保して、農業生産力を維持するとともに農業経営の安定を図るとともに、日本の食の安定的な供給、食料自給率の向上を図る制度です。

転用許可がなくてもよい種類の土地とは、具体的には、以下のような例があげられます。

1.集落形成区域

国土交通省が指定している集落形成区域内にある農地については、一定の条件を満たす場合において、転用許可が不要となります。

たとえば、用途を住宅地として転用する場合などでは、その地域の市街化区域化法に基づく規制に従って転用が可能となります。

2.農地転用の特例制度

国土交通省が設けている農地転用の特例制度によって、転用許可が不要となる場合があります。

たとえば、遊休農地の活用促進や、市街地近郊の農地の転用促進などがその例となります。

しかしながら、これらの土地においても、使用用途の変更がある場合などでは、地方自治体に届出をする必要がある場合があります。

個別の土地の使用用途については、各地方自治体によって異なっているので確認が必要になります。

3.法的根拠

農地転用の許可が不要な法的根拠は、下記の法律などに準拠します。

1.農地法第4条の許可を要しない場合の主なもの

(1)国または、都道府県もしくは指定市町村が転用する場合(学校、病院、社会福祉施設、庁舎および宿舎を除く)(2号)

(2) 農業経営基盤強化促進法により公告された農用地利用集積計画に沿って転用する場合(3号)

(3)特定農山村法により公告された所有権移転等促進計画に沿って転?する場合(4号)

(4)農山漁村活性化法により公告された所有権移転等促進計画に沿って転用する場合(5号)

(5)土地収用法等により収用または使用に係る目的に沿って転用する場合(6号)

(6) 市街化区域内の農地をあらかじめ農業委員会に届け出て転用する場合(7号)

2.農地法第5条の許可を要しない場合の主なもの

(1)国または都道府県等が取得する場合(学校、病院、社会福祉施設、庁舎及び宿舎を除く)(1号)

(2)農業経営基盤強化促進法により公告された農用地利用集積計画によって取得する場合(2号)

(3)特定農山村法により公告された所有権移転等促進計画によって取得する場合(3号)

(4)農山漁村活性化法により公告された所有権移転等促進計画によって取得する場合(4号)

(5)土地収用法等により収容または使用される場合(5号)

・その他省令で定める場合(7号)

・市街化区域内の農地等をあらかじめ農業委員会に届け出て取得する場合(6号)

・土地改良法に基づく土地改良事業を行う者がその事業に供するため取得する場合

・市町村が当該市町村の区域内の農地等を、道路、河川、堤防、?路、ため池その他の施設で土地収用法第3条該当事業の用に供するため取得する場合(学校、病院、社会福祉施設及び庁舎を除く)

・市町村、都市再?機構、土地開発公社等が市街化区域内にある農地等を取得する場合等

市街化区域にある農地については、事前に届け出ておけば、許可がなくても転用することができます。

市街化区域とは、都市計画法で指定されている都市計画区域のひとつになります。

すでに、街の整備がすすめられて市街地になっている区域と、10年以内くらいに優先的、計画的に市街地として整備を図るべき区域となっている地区となります。

都市計画とは、住民が安心、安全そして快適に暮らせる街をつくるための計画のことです。

都市計画を考える範囲である都市計画区域を、街の整備をすすめる市街化区域と、整備を抑制する市街化調整区域に分けることで、土地を有効に活用しようというものです。

農地転用許可が不要な場合とはどんなケースになるか?

農地転用許可が不要な場合は、次のような例があげられます。

1.住宅地や商業地などの市街化区域内である場合

国土交通省が指定する市街化区域内の農地については、一定の条件を満たす場合であれば、転用許可が不要となります。

たとえば、農地を「住宅地」や「商業地」として転用する場合であれば、市街化区域内で指定された規制に従って転用が可能となります。

2.特例措置の適用を受ける場合

国土交通省が設けている農地転用の特例措置を受けることができる場合、転用許可が不要になることがあります。

たとえば、一定の期間以上にわたって遊休状態である農地の有効活用や、市街地近郊の農地の転用促進などがその例です。

3.都市計画法に基づく認可がある場合

都市計画法に基づいて認可された用途地域内であれば、その地域内での使用用途の変更は、転用許可が不要となります。

都市計画法とは、都市計画に必要な事項について定めている法律となります。都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために、土地の利用や都市の施設の整備、市街地の開発などに関係するルールが定められています。

都市計画法第一条では、この法律の目的を以下のように書かれています。

この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

ただし、上記の場合であっても、転用先の用途によっては、地方自治体の条例や規則に基づく届出が必要となる場合があります。

詳しいことは、行政書士と相談するか、所在地の地方自治体に確認すればよいでしょう。

都市計画法は、街づくりのルールを定めた法律になります。都市の開発や利用に関連するルールを設定することで、市民の快適な都市生活を送れることを目的としています。

都市計画の基本理念には、次のように書かれています。

第2条 都市計画とは、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びに、このためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。