2022年に営農義務が解除されました!

農地を農地以外のものにする目的で売買したり貸し借りする場合、農地法第5条許可申請

農地コラム

農地を農地以外のものにする場合は、土地の利用制限や規制に関する法律を確認することが重要です。

農地の利用変更には、農地法や都道府県の条例に基づく手続きが必要となります。

農地を非農地へ転用する場合には、農地転用の許可が必要となります。農地を建物などに利用する場合には、建築基準法に基づく建築確認申請が必要となる場合もあります。

農地を貸し借りする場合には、基本的には、土地所有者と借地人との間で賃貸借契約を締結することが必要です。借地契約書には、賃料や借地期間、利用の目的、更新の条件などを明記します。

農地の売買・賃借・転用について、農地法関係の許可

農地等を耕作目的で売買したり、貸借する場合は、農地法第3条が関係し、農地などを農地以外のものに転用する場合で、保有する農地を転用する場合は、農地法第4条、転用目的で農地等を売買したり、貸借する場合は、農地法第5条が関係してきます。

農地法に規定されている許可や届出の手続きが必要になってきます。

1.農地等を耕作目的で売買したり貸借をする場合、農地法第3条

農地法は、効率的に耕作する農業者以外の者が、農地または採草放牧地の権利を取得することを規制しています。

農地などを耕作目的で売買したり、貸借するためには、農地などの所在する農業委員会の許可が必要となります。許可は、権利取得や設定契約の効力発生の要件となっています。

許可要件は、個人の場合であれば、原則として、次のとおりとなります。

(1)全部耕作要件

取得時に農地などのすべてを効率的に利用して、耕作などを行うこと

(2)常時従事要件

原則としては、年間150日以上の農作業に従事すること

(3)地域調和要件

周辺の農地などの効率的、総合的な利用に支障がないこと

法人の場合には、(2)に代えて、農地所有適格法人要件などを満たす必要があります。

詳細は、農地などの所在している市町村の農業委員会に問い合わせします。

(4) 農地所有適格法人

・農地所有適格法人とは

下記の要件を満たして、農業経営を行うために、農地の権利を取得できる法人のことです。

・農地所有適格法人の要件

法人形態要件

株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、農事組合法人

・事業要件

直近の3カ年の売上高の過半が農業および農業の関連事業であること

関連事業とは農畜産物の製造加工、貯蔵、運搬、販売、農業生産資材の製造、農作

業の受託、林業、共同利用施設の設置など

・構成員要件

農業関係者(議決権は、総議決権の 2 分の 1 超)、農地の権利を提供した個人、法人の農業の常時従事者、基幹的な農作業を委託した個人、農地などを現物出資した農地中間管理機構、地方公共団体、農業協同組合・農業協同組合連合会、農業法人投資育成事業を行う承認会社又は承認組合

・業務執行役員要件

役員のうち過半数は法人の農業に常時従事する構成員であること、役員または重要な使用人のうち、1 名以上

農地所有適格法人は、年事業年度の終了後 3 カ月以内に、事業の状況などを農業委員会に

報告しなければなりません。

・農地などを農地以外のものに転用する場合

転用を農業の利用に支障が少ない農地などに誘導するとともに投機目的、資産保有目的での農地等の取得を規制するため、知事(指定市町村)の許可が必要です。

・農地などを所有者又は借権者が転用する場合

農地等の転用のために所有権の取得や賃借権、使用貸借権などの使用収益権を設定する場合となります。

農地の転用、農地法第5条関係

農地に、住宅や店舗などを建てたり、駐車場など建設して、農地以外の地目に転用する場合は、県知事の許可または、農業委員会への届出が必要になります。

農地転用は、計画が確実に実施されること、緊急の要件であること、周辺の農地や農業用施設への被害がないことが最低の条件となります。

1.農地法5条

名義ではない農地を転用の目的で売買したり、貸借をしたりする場合は、農地法5条の許可が必要になります。

(1)農振農用地

農業振興地域の整備に関係する法律、農振法によって、農用地区域が指定されています。

この区域は、将来にわたり、農地を守り、農業を効率よく行うために農地を保護しています。

この農用地区域に指定されている農地については、住宅や資材置場などへの転用は原則的に許可されません。

住宅などへ転用するためには、農用地区域から除外申請をして、許可を受けた後に、農地法4条や5条の申請をしなければなりません。

転用計画がある場合には、該当農地の区分をあらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。

(2)具体的な計画

農地転用で、将来、家を建てる計画があるため、今のうちに、転用許可を受けて、地上げしたいということがありますが、このような場合、今すぐに土地の利用計画あるわけではないので、緊急性がないということで、申請を受けてもらえないことがあります。具体的な計画ができてから申請をしたほうがよいでしょう。一般住宅への転用は、原則として500平方メートルまでとなります。

(3)他法令との関係

農地転用を受ける場合は、農地法の許可のみだけでなくてほかの法令の許認可が必要な場合もあります。

その場合は、その他の許認可を事前に受けるなどの打合せを行い、許認可の見込みがある計画を立ててから申請したほうがよいでしょう。

(4)無断転用

無断転用した場合は、厳しい措置が課せられることがあります。

農地を無断で転用した場合、知事などより工事の中止や原状回復などの命令が出される場合があります。

最高3年の懲役や300万円以下の罰金に処せられることもありますので注意が必要です。