おおむね10年以内に市街化を優先的に、計画的に推し進めている市街化区域にある農地の転用については、あらかじめ届け出て行う場合であれば、許可は不要となります。
農地転用の制度について
農地を農地以外のもの、宅地、駐車場、資材置き場にする場合は、事前に農地法第4条、5条の規定による届出または、許可の手続きをする必要があります。
転用する事業によっては、市街化区域内の農地の場合などは、届出の受理、市街化調整区域内の農地の場合は、県知事許可が必要になります。
手続きは、当該の農地の農業委員会の事務局が窓口となっています。
農地法第4条は、自分の農地を自ら転用する場合となります。
農地法第5条は、自分の農地を他人、第3者に売る場合など、所有権などの権利の異動が伴う場合です。
1. 手続きの方法
市街化区域内で農地転用される場合は、当該農地を管轄する農業委員会の事務局に届出を提出することになります。
2.手続きなどの流れ
多くの農業委員会では、届出は随時受付をしています。多くの場合、受付より2週間程度でで、受理通知が交付されます。
農業委員会では、届出書の法定の記載事項および、添付の書類の確認をして、係員が現地の調査を実施、不備がなければ、届出を受理することになります。
3. 関連する部局で確認する場合
市街化区域農地であるかどうか、生産緑地地区であるかどうかは、市町村役場でも確認できます。
生産緑地地区に指定されている農地は農地転用ができません。
500平方メートル以上の農地では、宅地の造成などの開発行為を行う場合は、都市計画法第29条許可、開発許可が必要な場合であれば、農地転用をする場合、当該の許可書の写しを添付することになります。
4. 市街化調整区域内での農地転用
市街化調整区域内での農地転用では、農地法に基づく許可の基準、立地の基準、一般基準により許可などの決定を都道府県の知事が行います。
農業委員会の事務局が窓口となりますので、事前に相談や問い合わせをしておいたほうがよいでしょう。
農地転用の許可が不要な場合
1. 農地法第4条の許可を要しない場合
(1) 国、または都道府県もしくは指定市町村が転?する場合、ただし学校、病院、社会福祉施設、庁舎および宿舎を除きます。
(2) 農業経営基盤強化促進法によって公告された農?地利?集積計画にそって、転?する場合
農業経営基盤強化促進法とは
効率的かつ安定的な農業経営を営む者を育成するために、地域において、育成すべき多様な農業経営の目標を、関係者の意向を十分に踏まえて、それを明らかにして、その目標に向けて農業経営を改善する者に対して、農用地の利用集積、経営管理の合理化など、農業経営基盤の強化を促進するために、対応措置を総合的に講じるものとなっています。
農⽤地利⽤集積計画とは
農業経営基盤強化促進法の規定に基づいて、農用地などの所有者が農用地などの所有権を移転したり、使用収益権を設定したりする法律の行為を行うための手続で、農業者などから申出のあった内容が、市町村で定める農業経営基盤強化促進基本構想に合致する場合に、市町村が計画を作成します。
(3) 特定農⼭村法によって公告された所有権移転等促進計画にそって転?する場合
(4) 農?漁村活性化法によって公告された所有権移転等促進計画にそって転?する場合
(5) ?地収?法などによって収?、または、使?に関連する?的にそって転?する場合
(6) 市街化区域内の農地をあらかじめ農業委員会に届け出て転?する場合
2. 農地法第5条の許可を要しない場合
(1) 国または、都道府県などが取得する場合、その場合では、学校、病院、社会福祉施設、庁舎および宿舎は除きます。
(2) 農業経営基盤強化促進法により公告された農⽤地利⽤集積計画により取得する場合
(3) 特定農⼭村法により公告された所有権移転等促進計画により取得する場合
(4) 農⼭漁村活性化法によって公告された所有権移転等促進計画により取得する場合
(5)⼟地収⽤法などによって収⽤または、使⽤される場合
(6)市街化区域内の農地などをあらかじめ農業委員会に届け出て取得する場合
市街化区域内の農地については、一般の農業者などに関係するものになります。
市街化区域にある農地は事前に届け出ることで、許可を受けなくても、農地転用することができます。
市街化区域とは、市街化を推進している地域のことで、住宅街や商業施設などがある市街化された区域、または、ほぼ10年以内に市街化を進める区域のことです。
市街化区域であれば、届け出をすれば、一般の住宅なども許可なく建築することができます。
農地転用の手続きとしては、農業委員会に事前に届け出れば、許可は不要となり、転用が簡単にできるようになっています。
3.農地転用の届出の提出先
農地転用の届出は、農地法第4条と農地法第5条に関係する転用となりますが、いずれの場合も当該の農地がある市区町村の農業委員会に届け出をします。
多くの場合、郵送での申請は受け付けていません。農業委員会の事務局の窓口に出向いて、申請することになります。
農地法第4条の場合であれば、農地の所有者である権利者が、農地法第5条の場合は、農地の所有者である権利者と農地を転用する人が共同で申請することになります。
行政書士による申請もできます。
多くの農業委員会での届出は、申請日は特に定められていないので、土日を除く任意の日に申請することができます。
届出は、1週間程度で書類内容に誤りがないかなどの審査がされて、問題がなければ受理通知書が交付されます。
自治体によっては、週ごとに締切日を決めている場合もあります。そのような場合では、1週間以上かかる場合もあります。
受理通知書は窓口で交付されて、申請者が受け取りに行くことになりますが、委任状があれば、申請者以外の者でも受け取ることができます。