2022年に営農義務が解除されました!

農業委員会の許可を受けることなく取得した場合の届出、農地法第3条の3の届出

農地コラム

一般的に、農業委員会に許可を受けずに農地を取得した場合は、その取得を届け出る必要があります。

これは、農地法に基づくもので、農地の取得や譲渡について、国の管理のもとで、透明性を確保することが目的です。

農地取得後、届出書を作成して、所轄の農業委員会に提出する必要があります。届出書には、以下のようなことが必要となります。

・取得した農地の所有者情報

・取得日、取得価格、取得方法

・農地の利用目的、規模、作物の種類など

届出書の提出は、農地の地理的な位置や取得規模に応じて、所轄の農業委員会に直接提出する方法や、都道府県や市町村の役所を通じて提出する方法があります。

届出後、農業委員会からは、書類の不備や問題点がある場合には、改めて連絡があります。

農業委員会の許可を受けずに農地を取得することは、農地法に違反する行為となるために、罰則があります。

届出を怠った場合や虚偽の報告があった場合は、罰則が科せられる可能性があるため、注意が必要です。

農地法第3条の3第1項の規定による届出書

農地の権利を、相続などによって農業委員会の許可を受けることなく取得した場合は、農業委員会へ届け出る必要があります。

農地の権利を、遺産分割、包括遺贈を含む相続、法人の合併や分割、時効取得などによって、農業委員会の許可を受けることなく取得した場合は、その農地のある農業委員会へ届け出る必要があります。

届出は、権利を取得したことを知った時点から概ね10ヶ月以内に行います。

ただし、この届出自体は、権利取得の効力を発生させるものではありません。

届出先としては、市町村のその土地が所在する農業委員会事務局です。

提出書類

・届出書

・誰がどの農地の権利を取得したのかが確認できる書類

登記完了証、該当地の全筆分の全部事項証明書、遺産分割協議書の写しなどの、いずれか一種類

・代理人が届出をする場合は、様式任意の委任状

農地法について

1.農地法第3条について

(1)適用場面

農地法第3条が適用される場面としては、農地または、採草放牧地について所有権を移転し、または、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権もしくは、その他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、もしくは移転する場合とされています。

農業を行なうために、農地を購入、もしくは、賃借する場合に、農地法第3条の許可が必要となります。

(2)許可権者

農業を行なうために、農地を購入、あるいは、貸借する場合は、原則として、農業委員会の許可が必要になります。

農地法第4条、および第5条の許可権者は都道府県知事等であって許可権者が他の場合と違うので注意が必要です。

農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画、利用権設定等促進事業による場合は、農地法第3条の許可は不要となります。

(3)許可を受けずにした場合

無許可で農地法第3条の権利移転等を行なった場合は、権利移動の契約が無効となります、農地法第3条第7項。

罰則として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります、農地法第64条第1号。

農地法第4条について

(1)適用場面

農地法第4条が適用される場面としては、農地を転用、農地以外のものにする場合になります。

所有している農地上に住宅を建築するために、農地を宅地に転用する場合には、農地法第4条の許可が必要となります。

農地法第3条や第5条の場合とは違って、採草放牧地の転用は農地法第4条は適用外となります。

(2)許可権者

原則としては、都道府県知事、または、農林水産大臣が指定する市町村の区域内にある農地を転用する場合には、指定市町村長の許可が必要になります。

市街化区域内にある農地については、農業委員会への届出制となっているなどの例外もあります。農地法第4条第1項第7号。

(3)許可を受けずに行なった場合

無許可で農地を転用してしまった場合は、原状回復命令などの行政処分を受けることがあります。

罰則として3年以下の懲役または、300万円以下の罰金が科される可能性があります、農地法第64条第1号。

農地法第5条について

(1)適用場面

農地法第5条が適用される場面は、農地または、採草放牧地を転用するためにこれらの土地に何らかの権利を設定して、あるいは、権利を移転する場合です。

農地の使用収益をする権利などを持っていない人が、農地を買い受けて、もしくは賃借して、宅地に変えて、住宅を建築しようとする場合には、農地法第5条の許可が必要となります。

採草放牧地を、農地に変更するための権利移転等については、農地法第5条の適用ではありません。

(2)許可権者

原則としては、都道府県知事の許可が必要です、農地法第5条第1項。

市街化区域内にある農地または、採草放牧地については、農業委員会への届出制となっているなど、例外などもあります。農地法第5条第1項第6号。

(3)許可を受けずに行なった場合

農地や採草放牧地を転用するために、無許可で権利設定や権利移転を行なった場合は、当該権利設定や権利移転の契約は無効とされます、農地法第5条第3項、第3条第7項。

許可の取消しや条件変更、工事停止命令、原状回復命令などの行政処分を受ける可能性があります。

罰則として3年以下の懲役または、300万円以下の罰金が科される可能性があります、農地法第64条第1号。